「アンガーマネジメント」という言葉をご存知でしょうか?
アメリカで誕生した、怒りの感情を上手に付き合うプログラム「アンガーマネジメント」は、日本でもビジネスパーソンやエグゼクティブの間で広まりつつあります。
タクシードライバーにとって、怒りやイライラによるストレスは運転に影響を及ぼし、事故につながる大敵です。今回は、運転中のイライラや怒りをコントロールして、よりポジティブに、気持ちよく仕事をする方法をご紹介します。
「怒り」の原因を知る
タクシードライバーをやっていて、勤務中に一切のイライラや怒りを覚えたことはないという方はいらっしゃらないでしょう。
後ろからクラクションを鳴らしてきたり、強引な割り込みをしたりするクルマがいた場合、どうしてもイライラを感じてしまうことがあります。とくに運転中はタクシーの車内というプライベートに近い空間でクルマのスピードが出ているということもあって、心身が興奮しやすくなっています。
人の怒りの感情には次の4種類があるそうです。
・一度怒ったら止まらない怒り
・根に持つ怒り
・頻繁に湧き上がる怒り
・物を壊したりする攻撃的な怒り
自分はどんなときにイライラを感じるのか、どんな怒り方なのか、自分が怒りを感じる理由とタイプを客観的に理解することがアンガーマネジメントの第一歩です。
怒りのピークはたった6秒で収まる
「怒りのピークは長くて6秒」と言われています。どれだけ激怒しても6秒間やり過ごすことができれば、自然と怒りは収まります。
具体的な怒りをやり過ごす方法のひとつに、「怒りを数値化する」というものがあります。
たとえば、相手を殴らないと気が済まないレベルの怒りを10として、
「後続車にクラクションを鳴らされたら怒りポイント1」
「無理やりな割り込みをされたら怒りポイント2」などと数値を付けることにより、
客観的に怒りを観察します。「さっきの怒りは1だから、怒るだけ無駄だな」と思ったら、
その間に怒りの感情が収まるのです。
もうひとつは、「怒りの原因を自分の力でコントロールできるか」を考えることです。
たとえば、渋滞は運転中のイライラの最たるものですが、クルマ一台が努力したところで渋滞は解消できません。そんなときに「まあしょうがないか」「渋滞を抜けられる方法を考えるか」と気持ちを切り替えることで、イライラをやり過ごすことができます。
タクシードライバーは怒りと上手に付き合うことが大切
運転中はどうしてもイライラや怒りと隣り合わせの状況です。とくに運転技術に自身を持つドライバーほど、運転中にイライラを感じやすいとも言われています。
怒りやイライラは、運転への集中力を削ぎ、危険な運転へといざなう感情です。アンガーマネジメントを身につけて、自分の感情をコントロールして常にポジティブに、いかなる時でもリラックスした運転を心がけましょう。